師匠がドイツを訪れた際、社中の皆さんと共に指導を受けた貴重なひととき。その際に生けた作品をご紹介します。
市場で珍しい白のアリウムを見つけ、師匠とともに一目惚れして購入しました。この白いアリウムを主役とし、主枝(しゅし)として据え、スモークツリーを客枝(きゃくし)として添えました。このように主枝と客枝を合わせて「役枝(やくえだ)」と呼び、いけばなの骨格を形作る大切な要素となります。
庭で採取したスモークツリーは、通常ならふわふわと煙のような部分を活かしますが、今回のものはその特徴がなく、葉の美しさを前面に出しました。モフモフの代わりに、ふんわりとしたピンクのかすみ草が軽やかな動きを添えてくれたため、たとえスモークツリーに煙の部分があったとしても、結果的に使わなかったかもしれません。
白いアリウムの清らかな存在感、スモークツリーの葉の落ち着いた趣、そしてピンクのかすみ草の可憐な彩りが調和した一作。またこのような素敵な花材との出会いが訪れることを願っています。
目次
いけばな




花材: | アリウム、かすみ草、スモークツリー |
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花器: | 投入花器 |
花型: | 瓶花 直立型 |
いけばな@ドイツ


いけばな師匠、ドイツへ——忘れがたい学びと時間 | いけばな@ドイツ
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