ふんわりとした花びらが魅力のトルコ桔梗。華やかさと上品さを兼ね備え、いけばなでもよく使われる花材のひとつです。
今回は、生徒さんたちに小原流の花意匠の中から『ならぶかたち』をいけてもらいました。
トルコ桔梗の優雅な美しさを生かした作品をご紹介します。
トルコ桔梗の魅力

トルコ桔梗(Eustoma grandiflorum)は、優雅で華やかな花が特徴的な植物です。原産地はアメリカ南部からメキシコにかけての地域で、さまざまな色や形があり、特に花の花びらが重なり合うように咲く様子が美しいとされています。
美しい花姿と色彩
トルコ桔梗の花は、一般的に丸みを帯びた優雅な形をしており、豪華さと繊細さを兼ね備えています。花びらが重なり合い、まるでバラのような印象を与えることから、贈り物やアレンジメントにもよく使われます。
色は白、ピンク、紫、青、黄色などがあります。花の色ごとに異なる雰囲気を持ち、特に濃い色合いは落ち着いた優雅さを、淡い色合いは清楚で柔らかな印象を与えるため、シーンに合わせて使い分けができます。
名前の由来
「トルコ桔梗」というのは和名です。学名はEustoma grandiflorumで、英語ではlisianthus(リシアンサス)とも呼ばれます。
日本では、この花の形や色合いが桔梗(ききょう)に似ていることから「トルコ桔梗」と名付けられました。
「トルコ桔梗」という名前の由来については諸説ありますが、一説によると、トルコの絵画や陶器に描かれた花の形が似ていることから名付けられたと言われています。
しかし、植物学的には桔梗とは異なる種類の花であり、学術的にはキキョウ科のリシアンサス属に分類されます。
ドイツでの呼び名
ドイツ語では、トルコ桔梗は「Eustoma」または「Lisianthus」として呼ばれています。
この花のドイツ語名についてはあまり知られていないようで、お社中の方々もご存じなかったようです。
お花好きな生徒さんたちが知らなかったことを見ると、言いづらいのか、それとも花と名前のイメージが合わないからでしょうか。
花材としての「トルコ桔梗」
トルコ桔梗は、花材としてよく登場するお花です。
ほぼ一年中、お花屋さんで見かけるため、その使用頻度も高くなります。
バラとは異なるエレガントさを持ちながらも、主張しすぎることなく、柔らかい印象を与えます。
色も単色から多色まで豊富で、季節によって異なるため、他の花との組み合わせがしやすい花材です。
花意匠『ならぶかたち』とは?
花意匠の「たてるかたち」の展開で、三つの役枝が横方向に並んだ時の高さと間の変化により、リズム感のある美しさを表現するかたち。
小原流 教本より
またこの花型では、花材同士の距離感や配置の仕方に工夫があり、花の特徴や美しさを最大限に引き出すために、一つ一つの花の位置や角度が慎重に選ばれます。
シンプルでありながらも、細部にこだわった調和が求められるため、いけばなとしての奥深さが感じられるかたちです。
生徒さんの作品紹介

花:トルコキキョウ、ガーベラ、かすみ草、ピスタチオの葉
まとめ
- 手に入りやすく、いけばなでも頻繁に使われる花材です。
- 花色が豊富で、色によって異なる雰囲気を楽しむことができます。
- 花の形状も扱いやすく、「たてるかたち」や「ならぶかたち」の主材としても適しています。
