初夏には涼しげな花を咲かせ、秋には印象的な赤い実がなる樹木です。薔薇の原種のひとつで、ヨーロッパでは接木の台木に使われます。
接木に使われる、といった経緯からなのか、ドイツ語名、英語名さらには和名にも犬という名前がついており、一説には犬という冠には、価値のないとか、品性のないとかという意味があるそうです。
なんとも勝手な言い草ですよね。
そしてイヌバラに関しては、狂犬病の治療に用いられたという謂れもあるようです。そうなると価値がないどころではありませんよね。
そんなことからなのか?和名やドイツ語名には別名も存在しています。
ちょっと安心しました。
花材としては花を使うよりも実を使う場合ば多いです。もちろん花も使えますが、デリケートなので散りやすく、いけている間にポロッとなる場合も。
そんな可憐な印象の花ので、やはりイヌバラというのは呼ぶのに抵抗があります。
花ポートレート
使用カメラ Nikon D7100
撮影地 ドイツ南西部
基本情報
和名:イヌバラ(犬薔薇)
別名:ロサ・カニーナ
科 属名:バラ科 バラ属
学名:Rosa canina
ドイツ名:Hunds-Rose, Hagrose, Heckenrose oder Heiderose Linde
英名:Dog rose
ドイツにおける背丈
200cmから300cm
ドイツにおける開花期
5月から6月
ドイツにおける結実期
9月から10月
種類
落葉低木
原産地
ヨーロッパ、北アジア、北アフリカ
日本語の花言葉
「喜びと痛み」
モデルとして登場
ゲーテの詩「野ばら(Heidenröslein)」
いけばな
垂れ下がる傾向がるので、ひらくかたちの花型が扱いやすいかもしれません。
花:ローズヒップ(イヌバラの実)、アンスリウム、パイナップル、ワックスフラワー
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花:ロサ・カニーナ(イヌバラ)、ヒゲナデシコ
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花:コニファー、アンスリウム、リモニウム、ローズヒップ、ポインセチア
こちらはイヌバラの実(ローズヒップ)を短くして挿しています。赤を左右に繋ぐという役割です。