撮影が早すぎたのか花が咲いている状態ではなくて、蕾です。
それでも可愛らしい蕾は光に当たるとキラキラとして、とてもフォトジェニックな存在。
花はさぞかしもっとフォトジェニックなのかもしれませんが、これは次回への持ち越しとなりました。
さて、セイヨウシナノキですが、別名はリンデンバウム。これは日本におけるこの木の別名で、ドイツ語名はHolländische Linde(直訳:オランダのリネン)です。お間違えのないように。
リンデンバウム
リンデンバウムと聞いて、フランツ・シューベルト作曲の「冬の旅(原題:Winterreise)」と思い浮かべる方もいると思われます。
この「冬の旅」は、24の歌曲からなる連作歌曲集で、その歌曲集の5曲目にDer Lindenbaum(和訳:菩提樹)があります。
とここで曲の説明ではなくて、タイトル和訳の方に注目。
菩提樹(学名:Tilia miqueliana、中国原産)という和名ですが、和名別名のリンデンバウム(学名:Tilia × europaea)とは別の木です。
曲に出てくるのは、セイヨウシナノキ(西洋科の木)の方です。
歌の和訳的に菩提樹の方がしっくりくるというのは理解できますが、これのおかげで本来の木の名前は誤解されている場合もあるのでは?と心配してしまいます。
このブログを訪れた方は、この違いを覚えておいていただければ嬉しいです。
菩提樹
また菩提樹(アオイ科、学名:Tilia miqueliana)ですが、お釈迦様が菩提樹の下で悟りを開いたとして有名ですが、実際には、クワ科のインドボダイジュ(印度菩提樹、学名:Ficus religiosa)のことです。
アオイ科とクワ科、ここまでくると名前が独り歩きな感じが否めませんね。
ではなぜインドボダイジュではないかというと、中国では熱帯産のインドボタイジュが育たないため、葉の形が似ているアオイ科のこの木、つまり菩提樹にしたそうです。
なんて勝手な、とツッコミを入れたくなります。
シナノキ
さて、セイヨウシナノキに話を戻します。
セイヨウシナノキ、つまり和名にセイヨウ(西洋)とついているところから察するに、シナノキがあるのでは?と想像できると思います。
そのシナノキ(学名:Tilia japonica)は、日本固有種で、長野県長野市の市の木指定されています。
また長野は信濃とも呼ばれていますが、昔は科野といい、科野はシナノキに由来されていると言われているそうです。
花ポートレート
使用カメラ Nikon D7100
撮影地 ドイツ南西部
基本情報
和名:セイヨウシナノキ
別名:リンデンバウム
科 属名:アオイ科 シナノキ属
学名:Tilia × europaea
ドイツ名:Holländische Linde
英名:Common lime or common linden
ドイツにおける背丈
40m
ドイツにおける開花期
6月から7月
種類
落葉樹
原産地
フユボダイジュ(Tilia cordata)と ナツボダイジュ(Tilia platyphyllos)の自然交配種
日本語の花言葉
「夫婦愛」