西洋山茱萸(セイヨウサンシュユ)Cornus mas

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春の訪れを告げる花はいくつかありますが、その中でも鮮やかな黄色がひときわ目を引くのがセイヨウサンシュユです。

まだ冬の名残が残る季節に、まるで光をまとったように咲くその姿は、寒さの中でも春の気配を感じさせてくれます。

この記事では、そんなセイヨウサンシュユの特徴や魅力について紹介します。

花写真

2020.02
Nikon D7100
ドイツ南西部

近所の公園にこの木が植えられていて、春になると鮮やかな黄色の花が咲くので目を引きます。

でも、それ以外の季節はあまり目立たず、正直なところ気づかないことも多い花木です。

それでも、冬の名残が残る早春に、この明るい黄色が広がると、なんとも心が和みます。

寒さの中に春の訪れを感じさせてくれる、そんな花です。

毎年出会うたびに写真を撮っていますが、なかなか思うようには撮れません。

それでも、この鮮やかな花をカメラに収めたくなる魅力があります。

花の基本情報

和名:西洋山茱萸(セイヨウサンシュユ)
別名・通称:コーネリアンチェリー
学名:Cornus mas
独語名:Kornelkirsche, Herlitze, Dürlitze und Hirlnuss, in Österreich auch Dirndl, Dirndling, Dirndlstrauch oder Gelber Hartriegel, in der Deutschschweiz Tierlibaum
英語名:Cornelian cherry, European cornel or Cornelian cherry dogwood
科・属:ミズキ科ミズキ属
分類:落葉
原産地:南東ヨーロッパから西アジア
開花期:2月から3月
花色:
実色:
背丈:400cmから800cm
花言葉:「私の想いを受けてください」「返礼」
その他:

セイヨウサンシュユの特徴

  • 花の特徴
    • 早春(2~3月)に葉が出る前に小さな黄色い花をたくさん咲かせる
    • 花は小さくてもまとまって咲くため、木全体が黄色く輝くように見える
  • 葉・樹形
    • 夏には楕円形の緑の葉が茂るが、特に目立たない
    • 樹形は自然に丸みを帯びることが多い
    • 夏の終わりから秋にかけて赤い実をつける
    • 食用にもなり、ジャムやリキュールに使われることもある
  • 秋の姿
    • 紅葉することもあるが、あまり鮮やかではない
  • 日本のサンシュユとの違い
    • 日本のサンシュユ(Cornus officinalis)に比べて花の黄色がやや濃い
    • 樹皮があまり剥がれず、比較的滑らか

セイヨウサンシュユの赤い実

2019.09
Nikon D7100
ドイツ南西部

花材探しの途中、赤い実を見つけました。

どこかで見たことがある気がしましたが、その場では思い出せず、写真を撮って後から調べることに。

すると、なんとよく知っている花の実だったと分かり、驚きました。

実はしっかりとした大きさがあり、花材としては少し扱いにくそうだったので、そのまま帰ってきました。

でも、秋のセイヨウサンシュユと分かった途端、いけばなに使ってみたい気持ちが湧いてきました。

どんな花と合わせるか悩みそうですが、それもまた楽しみのひとつですね。

この赤い実は、日本のサンシュユと同様に生食には向かないものの、ジャムやソース、ドライフルーツ、ジュースとして利用できるそうです。

ミネラルが豊富というのも魅力的。ぜひ一度試してみたいなと思いました。

ちなみに、日本のサンシュユは生薬としても使われるとのこと。

体に良い実がなる植物だと思うと、ますます魅力を感じますね。

セイヨウサンシュユの育て方

  • 耐寒性・耐暑性:強い(寒冷地でも育つ)
  • 日照条件:日向~半日陰
  • 土壌:水はけがよく適度に湿った土を好む
  • 成長の特徴:ゆっくり成長し、自然に整った樹形になる

育て方のポイント

① 植え付け

  • 適期:秋または早春(落葉期)
  • 場所:日当たりのよい場所が理想。半日陰でも育つが、日当たりが良いほうが花付きがよい
  • 土壌:弱酸性~中性の肥沃な土を好む(粘土質でも適応するが、水はけを良くする工夫が必要)

② 水やり

  • 庭植え:基本的に降雨だけでOK。ただし、乾燥が続く夏場は水やりをする
  • 鉢植え:土の表面が乾いたらたっぷりと

③ 施肥(肥料)

  • 時期:冬(1~2月)と花後(5~6月)
  • 種類:有機肥料や緩効性肥料を株元にまく

④ 剪定

  • 適期:花後(春~初夏)
  • 方法
    • 基本的に自然にまとまるので、大きくしたくない場合のみ剪定
    • 混み合った枝や古くなった枝を間引く程度でOK

⑤ 病害虫対策

  • 病気:特に目立った病気はないが、まれにうどんこ病が発生することがある
  • 害虫:アブラムシがつくことがあるが、大きな被害にはなりにくい

⑥ 冬越し

  • 耐寒性が強いため、特別な防寒対策は不要

増やし方

  • 種まき:実から種を採取し、冷蔵庫で冬越しさせた後に春にまく(発芽までに時間がかかる)
  • 挿し木:成功率は低いが、夏に半熟枝(半分硬くなった枝)を挿し木にすることで増やせる

セイヨウサンシュユを育てる魅力

  • 春に黄色い花が満開になり、庭が明るくなる
  • 秋には赤い実がなり、食用にもできる(ジャムやリキュールに活用)
  • 病害虫に強く、育てやすい

日本のサンシュユと同じ感覚で育てられますが、やや乾燥に強いのが特徴です。

いけばな

花材:セイヨウサンシュユ、ベニバナ
花器:投入花器
花型:瓶花下垂型

花材として

早春の枝物として欠かせない花木のひとつです。

初心者でも扱いやすい枝ですが、花の寿命が短く、タイミングを逃しやすい点が難点です。

花に対する個人的レビュー

このレビューは、育てた感想、いけばなで使う時の個人的感想、備忘録です!

セイヨウサンシュユ
総合評価
( 4 )
メリット
  • 早春に鮮やかな黄色で曇り空の多い時期に気持ちが明るくなる
デメリット
  • 花期が短い。咲くと数日で終わってしまう
  • 花屋では手に入らないので、探さなくてはならない花木
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